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死因究明体制推進に関するプロジェクトチーム

概 要

不慮の外因死や自他殺のほか、死因不詳の死、身元不明の遺体の中には、児童虐待を含む多くの「防ぎ得る死」が含まれている。国民生活の平和・安定のため、死因究明等の施策充実に向け活動。平成31年4月、死因究明等推進法を恒久法として成立させ、成育基本法にもCDR(チャイルド・デス・レビュー)を規定。

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厚生労働省の発表した2019年の「人口動態統計月報年計」によると、死因別の死亡数は、

(1)悪性新生物(腫瘍) 37万6392人

(2)心疾患(高血圧性を除く) 20万7628人

(3)老衰 10万6506人

と発表。上位3つで、全体の51%を占めています。

 

人の死因を考えたとき、不慮の外因死や自他殺のほか、死因不詳の死、身元不明の死体の中には、児童虐待をはじめ多くの「防ぎうる死」が含まれているといわれています。

 

世界保健機関(WHO)では、この「防ぎうる死」を「Preventable Deaths(プレベンダブル・デス)」と呼び、タバコや不健康な食生活、性的行動、無謀運転などを含んでいます。

 

日本の死因究明の取り組みは、遺体の発見場所や所見により、必ずしも解剖が行われるわけではありません。医療機関で亡くなった場合には、遺族の承諾のもと病理解剖が行われますが、少しでも犯罪性が疑われる場合には、警察により司法解剖が行われます。

 

そこで、遺体を傷つけることなく、遺体をCT(コンピューター断層撮影)や、MRI(磁気共鳴画像法)で撮影・読影する死亡時画像診断等の科学調査も活用しつつ、死の背景を考察することは、医学の発展や公衆衛生の向上、さらに犯罪死の見逃し防止等の観点からも、国民生活の平和・安定のためには不可欠です。

 

こうした観点から、本プロジェクトチームは死因究明等の施策を充実させるため活動して参りました。

 

死因究明体制の推進については、2012年に死因究明等推進法が成立していましたが、有効期限が2年間と定められた限時法だったため14年に失効し、推進をバックアップする法律がない状態でした。新たな理念法の制定を求める声が、日本医師会や日本法医学会など専門家からも上げられ、本プロジェクトチームでも、石井みどり参議院議員(当時)が座長、橋本岳衆議院議員が幹事長、私が事務局長という体制で、法整備に向けて取り組んで参りました。

 

その結果、2019年6月、恒久法として「死因究明等推進基本法」を議員立法で成立させることができました。基本法では、死因究明等(死因究明及び身元確認)に関する施策を、総合的かつ計画的に推進。それにより、安全で安心して暮らせる社会及び生命が尊重され、個人の尊厳が保持される社会の実現に寄与することを目的に掲げています。

 

基本的施策としては

(1)死因究明等に係る医師、歯科医師等の人材の育成、資質の向上、適切な処遇の確保

(2)死因究明等に関する教育及び研究の拠点の整備

(3)死因究明等を行う専門的な機関の全国的な整備―等を挙げているほか、厚生労働省に厚生労働大臣を本部長とする「死因究明等推進本部」を設置することを明記しています。

 

その他、基本法の附則では、国に対して法施行後3年を目途として、死因究明等により得られた情報の一元的な集約及び管理を行う体制のほか、本法律の定めるところによらない他の死因究明においても、死体の解剖または科学調査が適切に選択されるようにするための方策等について検討することを求めています。

 

さらに、「死因究明等推進基本法」は、「CDR(チャイルド・デス・レビュー)」についても、「成育基本法」に続いて盛り込むことができました。

2022年1月17日の参議院本会議では、岸田文雄総理大臣が施政方針演説で「こども政策を我が国社会のど真ん中に据えていくため、『こども家庭庁』を創設します。こども家庭庁が主導し、縦割り行政の中で進まなかった、教育や保育の現場で、性犯罪歴の証明を求める日本版DBS、こどもの死因究明、制度横断・年齢横断の教育・福祉・家庭を通じた、こどもデータ連携、地域における障害児への総合支援体制の構築を進めます」と強い決意をしましました。

 

死因究明は、犯罪や事件・事故の見逃し防止のほか、新たな感染症防止にもつながります。国民の安全・安心な生活構築のためにも、今後も死因究明体制の一層の充実を推進してまいります。

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