物価・賃金上昇に診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス報酬等の改定が追いついておらず、医療・介護・福祉の経営継続や薬の安定供給が危ぶまれていることから、12 月 26 日・27日に加藤勝信財務大臣、福岡資麿厚生労働大臣、赤澤亮正内閣府特命担当大臣へ緊急申し入れを行いました。
<以下、提言内容>
社会経済情勢が大きくインフレ局面と変化をしている中、物価・賃金上昇に診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス報酬等の改定が追いついておらず、全国各地で医療・介護・福祉現場の経営が赤字に転じ、事業の継続が懸念されている。
就業者の約6 人に1 人は医療・介護・障害福祉の分野で働いている中、民間セクター並の賃上げに対応することができていない。このような状況下において、他分野への人材の流出が始まり、新たな設備投資は中断に追い込まれ、患者や利用者への入院等の食事提供にも支障をきたしはじめている。材料費の比率が高い歯科医療機関にも影響が出ている。また、毎年薬価改定による機械的な薬価引き下げは、新薬への投資のモチベーションの低下や、薬剤の安定供給にも大きな支障をきたしている。
社会保障が支える国民生活に責任を持つ立場の我々としては、このような状況は到底看過できず、以下を強く要望する。
⚫ 診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス報酬等について、物価・賃金の上昇に応じて
適切にスライドする仕組みを導入すること。特に今年から来年にかけては、著しく逼迫した経営状況に鑑み、期中改定も視野に入れること。
⚫ 社会保障予算の目安対応について、歳入の十分な見える化を図りつつ財政フレームの
見直しを行い、「高齢化の伸びの範囲内に抑制する」との取扱いを改め、物価・賃金の上昇を踏まえた仕組みへと見直すこと。
⚫ 上記を確実に行いつつ、薬価中間年における機械的な薬価引き下げの廃止を含め、薬価改定のあり方を見直すこと。
⚫ 小児医療・周産期体制については、著しい人口減少により対象者が激減していることから、政策医療として体制整備を維持する為の別の仕組みの検討を開始すること。